デイサービスで働く看護師の仕事は大変なのかな?実際に働いている看護師の声を聞きたいな、そんな疑問をお持ちですか?このブログでは6年間のブランクを経て、デイサービスで看護師として働き始めた私が、仕事が大変だと感じた4つの理由について解説します。今、現在デイサービスで働いている看護師さんには共感してもらえる部分もあるかもしれません。これからデイサービスで働こうと思っている看護師さんには少しでも仕事の実情を知っていただく手助けになればと思います。
デイサービスの看護師は大変!現役デイナースが5つの理由を解説
デイサービスで働きはじめて2か月が経ちました。働いているのは利用者定員が20人ほどの小規模デイサービスです。仕事内容の詳細は以下の「デイサービス看護師の仕事内容は?【結論】何でもしています」をご覧ください。
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デイサービス 看護師の仕事内容は?【結論】何でもしています
現時点で大変だと思う理由は以下になります。
利用者さんの本人確認が難しい
利用者さんは病院のようにリストバンドやベッドネームなど名前のわかるものを身に着けているわけではありません。そのため本人確認が非常に難しく大変だと思いました。ご本人確認をしようと利用者さんに話しかけたところ、全然違う他の方の名前で呼びかけたのにお返事をされたということもありました。
他の職員さんに名前を教えてもらって顔と名前を覚えるのに必死でした。
特に緊張したのがお薬を飲んでいただくときです。自分の名前を言える方には自分で名前を言ってもらい、与薬しました。言えない方は車いす、服や靴に書いてある名前を確認して飲んでいただくようにしました。
何でも屋さんなので仕事が煩雑で余裕がない
デイサービスの看護師は看護だけをしていたらいいのではなく、何でもする何でも屋さんです。なので想像していた以上に余裕がないです。お薬や軟膏処置、入浴可否判断などの看護業務に加え、トイレ介助、口腔ケア、食事介助、来所された利用者さんの対応、電話対応、利用者さんの迎え、調理、買い物、お茶出し、おやつ準備、食器洗い、掃除、調理補助、配膳、下膳、買い物、散歩など数えだしたらきりがないほど多種多様です。
おやつ準備は何故か看護師の業務と決まっています。糖尿病があっておやつは辞めてほしいとケアマネージャーさんから言われている方、とろみの必要な方など利用者さん全体を把握するのも看護師なので看護師の業務なのかもしれません。
看護業務は看護師である自分しかできないので、看護業務をしつつ他の業務もしないといけないので結構忙しいです。12,3人フロアに利用者さんがいるなかでフロアの見守りは基本、介護士さんと看護師である自分一人です。なので、何かの業務をしていても中断せざるを得ないことが非常に多く忘れや抜けがないようにしないといけないので注意を払っています。
具体的には薬の準備をしているときに、お風呂場から呼ばれる、記録をしているときに利用者さんが来所されて対応したりなどです。
ゆっくりコミュニケーションが取れない
想像していたよりも利用者さんとゆっくりお話をしたりする時間がなく日々の業務に追われバタバタしています。正直、デイサービスはもう少しゆっくりと時間が流れ、そんなに忙しくないのではないかと思っていました。病棟と忙しさの内容は違いますが、デイサービスは想像以上に忙しかったです。理想と現実のギャップなのかもしれません。
判断を求められることが多いので責任が重い
判断を求められることは非常に多いので大変だと感じる場面が多いです。看護師なので当然なのですが、判断に困ることもあります。看護職は一人なので相談できる人がいないのが辛いですが、相談員さんのなかには疾患や看護のことをとてもよく勉強して詳しい人がいるのでその人がいるときは相談したりします。
よく介護士さんから受ける相談として最も多いのが「皮膚が赤くなっている」です。
持参されている軟膏があれば塗布しますが、たくさん軟膏を持ってこられていたり新しくステロイド剤を持って来らたりするときはステロイドなので万が一違う箇所に塗ってしまうと副作用が心配です。ステロイドをどこに塗るのかご本人に確認します。確認してわからなければご家族に電話して確認します。何もお薬を持参されていない場合は連絡帳に記載し、様子を見ていただき、必要なら皮膚科を受診してくださいとお願いします。
他には痔が肛門から出ている、足が腫れているなどがありました。痔の方は家に薬があるとのことだったので次回からは持参していただくようにお願いし、出ている痔に対しては、あまり排便できばりすぎない、長時間の座位は避けるなどの一般的なことをお伝えするのみでした。
排尿障害の事例もありました。2週間前まではバルーンカテーテルが留置されていた利用者さんが12時間以上排尿がありません。介護士さんは水分摂取をすすめていましたが、ご本人は「お腹が痛い」と言っていました。カルテを確認すると自宅でも尿意がなく、定期的にトイレ誘導して排尿があったと記載されていました。飲んで、尿は作られているけど最近までバルーンを留置していたのなら、排尿障害かな?と思いました。
私も一緒にトイレに入ったのですが、少し下腹部が張っている感じでした。おしっこがしたいのに出ない「尿閉」?ここで病院なら、「導尿」となります。しかし、デイサービスは医療機関ではないのでカテーテルもありません。
さて、どうする??病院受診?ではありません。
デイサービスを利用する利用者さんはケアマネージャーが作成した介護計画に基づいて介護を受けています。従って、緊急でもない限り計画に記載していないことはできません。なので、ケアマネージャーさんに相談することになります。
ケアマネージャーさんに尿が出ないことを相談すると、「娘さんが看護師さんなのでどうするか聞いてみます」と。結果は娘さんに聞いたところ「デイサービスが終わるまでそのまま様子をみてほしい」ということでした。
その後、無事に排尿がありホッとしました。
この事例で思ったのが、デイサービスではいわゆる「看護計画」がなく「介護計画」しかないので少し物足りなさというか寂しいものがあります。利用者さんは「患者さん」ではなく「家で生活する利用者さん」なので仕方がないかもしれません、
利用者の要望が細かい
利用者さんの要望が細かいので最初覚えるまでが大変でした。コーヒーにしても、砂糖多めの人、砂糖なしの人、紅茶の人、オイルを入れる人、コーヒーがいらない人などです。
また女性の利用者さんでは入浴やトイレ介助などを同性の職員に介助してほしいと希望される方もいます。
その他にも利用者さん毎に細かい要望があります。介護計画には「本人の希望、ご家族の要望」という欄があり、要望に沿った事細かい介護を提供していかなくてはならないのだと思います。
利用者さんとずっと一緒の空間にいるのが辛い
基本的には看護師はフロア見守りということで、午前中も午後もフロアといって利用者さんがたくさんおられる空間に一緒にいます。たくさん利用者さんがいらっしゃるので緊張感がありなかなかほっとできず大変です。病棟ならお部屋で看護をしたらナースステーションに戻ってくることができますが、私の勤務するデイサービスではスタッフルームがありません。
なので記録をするときも2,3分おきに同じことを聞いてくる利用者さんのお返事をしながらの記録になるのであまり集中できません。病棟でも見守りの必要な方はナースステーションに来ていただいて記録などをしていましたので同じことかもしれません。
デイサービスの看護師として働いてよかったと思う点は?
大変な点をみてきましたが、次は良かったと思う点を挙げていきたいと思います。
個人的な意見になりますが、最も重視していた上記2点が良かったと思う点になります。
残業がなく定時で帰れる
入職して2か月ですが、ほぼ終業時間から5分以内で職場を出ることができています。看護師としての業務は入浴が終了する14時頃にほぼ終わります。デイサービスは基本的には夕方になるにつれ利用者さんが帰宅されるので人数が減ってきます。なので介護業務も減ってきます。順次帰宅準備をし、送り出しをしたらあとは残っている利用者さんの見守りをしながら掃除や皿洗いあどの雑用をして業務が終了します。
もし利用者さんの急変などがあれば、また話は別になると思いますが今のところは急変はありません。
病棟では緊急入院があったり、処置や手術などが多い日などは残業が日常茶飯事でした。開業医さんでも患者さんが多い日や緊急処置が入ると残業をしていました。なのでデイサービスの残業がないのは子どもを保育園に預けながら働いているママさんナースの私にとって働きやすく、とても助かっています。
採血や点滴がない
病棟に13年間も勤務していても採血や点滴は常に苦手意識がありました。なので、今回も採血や点滴がない職場で働きたいと考えた結果、デイサービスがいいのではないかと思い、デイサービスに勤務する運びとなりました。
おわりに
いかがだったでしょうか。デイサービス看護師の仕事の大変さと良い点について書いてきました。デイサービスでは決して看護師独自の仕事は多くありません。その分、多種多様な業務を臨機応変に行い、総合的な判断もしていかなくてはなりません。責任も重いですが、頼りにされているという実感もありやりがいも感じることができます。また、私のように未就学児が2人いるママさんナースにとっては日中のみ、平日のみ、残業なしの仕事はとても働きやすいです。土日は入れない、17時半には退社したいなどの要望を面接で伝え条件交渉に成功した記事は下記の「デイサービスの志望動機は?40代ブランクありの看護師の実例でご紹介しています。少しでも参考になれば幸いです。最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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