お金・投資

お金・投資・経済の勉強をするために読んだ本【随時更新】

2022年6月24日

 

2022年、私は強い危機感を持ちました。ウクライナ危機、円安進行、物価高、賃金が上がらないなどのお金にまつわる諸問題。正直言うとこれまで値上がりしてもさほどダメージを感じませんでした。

 

しかし、しかし今般の物価はほんとうに高い!スーパーに言って買い物をして切り詰めて買っても「えっ!これだけしか買っていないのに、この会計?」と思うことが切実に多くなりました。財布が痛い、紐を固くしてもしてもなかなかお金が貯まらない。

 

このままじゃだめだと思いました。自分には知識がなさすぎる、そうだ、本を読もう、お金や投資、経済の本を読んで勉強しよう!何か行動するにしても知識があるのとないのとでは大違い。まずは本でインプット、それからアウトプットしようと思いました。本は新書では購入していません。古本で買ったり、図書館で借りたり。

 

そしてよく「おすすめ 10冊」といった感じで記事を書いておられる人がいますが、私の読んだ本の記事はおすすめではありません。おすすめのものもありますがおすすめでないのもあります。それは文章を読んで判断していただけたらと思います。

 

何故おすすめの本だけを書かないのかというと、私にとってはあまりよくない本だったとしても読む人が違えばヒットするかもしれないからです。だから敢えておススメという言葉を使わずに私が読んだ本の読書感想文だと思っていただければと思います。それを読んだ上で興味をもってもらえれば本を読んでください。

 

長くなりましたが、本をご紹介していきます。ジャンルもバラバラですが、お金・投資・経済関連の本です。読んだ本を適宜追加更新していきます。何の知識もない主婦、3人の女の子の母である私が読んだ本です。

 

 

お金・投資・経済の勉強をするために読んだ本【随時更新】

 

私が読んだ本をご紹介していきたいと思います。

 

高校生からわかる「資本論」

マルクスが書いた「資本論」という難解な本を高校生からわかるように池上彰さんが優しくかみ砕いて説明している本です。資本主義といわれる現代を知るうえで「資本論」には役立つことが色々書いてあるので一緒に考えていきましょうという趣旨で書かれています。

 

資本主義と社会主義、労働力と資本、商品の価値など資本論に書いてある内容を引用しつつ、池上さんは引用された資本論の原文をそれはつまりこういうことですというように言い換えてわかりやすく説明しています。

 

経済の本などほとんど読んだことはありませんでしたが内容はとてもわかりやすかったです。今、普通にまわっている経済、資本主義の仕組みが100年以上も前に書かれた資本論に書いてあるのは驚きでした。

 

特に面白かったのが第9章の「労働者はこき使われる」です。前から薄々感じていましたがやっぱり雇われている人は経営者に搾取されているんだと実感し夫にも「ここ読んでみて」と共感を求めました。

 

一つだけ気になったのが文章がですます調で書かれているのに時々「だよね。そうなんだ。そうだよね。」などの口調になるのがとても個人的には気になりました。

 

高校生からわかる「資本論」 池上彰の講義の時間 池上彰

 

難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!

一言で言うととてもわかりやすかったです。お金を増やしたいけど知識もないしどうしたらいいかわからない人が、これまで常識だと思っていたことが常識ではないと知ることができたりお金の知識をわかりやすくインプットできるので、ぴったりだと思います。

 

物価高やインフレに円安、地政学リスクと将来に対するお金の不安が高まっていますよね。将来に対する不安があり、お金を増やしたいけど知識がない著者が経済評論家の元を訪れお金の運用方法や年金の話を聞くのですが、対話形式で素人にもわかりやすく可能な限り疑問を残さないようなコンセプトで書かれています。

 

本では比較的安全に運用できる日本国債やインデックスファンドが推奨されていました。銀行には近づいてはいけない、銀行のカモになる話や医療保険に入る必要がない、家は買ったほうがいいのかといった話は特に興味深かったです。

 

机上の空論ではなく、ネット証券に実際に口座を開いてみたり、国債やインデックスファンドを実際に買った注文画面も表示されており、本を読んですぐに実践したい人にもわかりやすく書かれています。

 

この手の本は途中で挫折することが多かったのですが、ほんとうにあっという間にスラスラと読めました。この本を読んで何かを始めた訳ではありませんが、もっとお金のことを勉強したいと思わせてくれる良書でした。

難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください! 山崎元

 

はじめての人のための 3000円投資生活

タイトルに魅かれて読み始めました。投資に興味はあるけれど投資に回せる手持ち資金が少ないので3000円という額は驚きでした。本は何万人もの家計を再生してきた家計再生コンサルタントの横山光昭さんが書かれています。とても読みやすくわかりやすい本で1時間ほどで読めました。

 

著者が投資としてすすめているのがバランス型の投資信託とインデックスファンドです。ローリスクローリターンで手間がかからず投資初心者におススメの投資方法としておススメの金融商品などと一緒に紹介されていました。月々数百円からも購入できるそうで、ハードルが低く感じすぐにでも投資を始めてみようかなという気持ちになりました。

 

あとがきの「ゲームに参加しないリスクは、参加するリスクよりもはるかに大きい」という一文が最も印象に残りました。

 

「絶対にやってはいけない投資とお金の使い方」では絶対に買ってはいけない金融商品が紹介されていました。同じ内容が他の方が書いてある本にも書いてあったので信ぴょう性がありました。(この本の上で紹介している山崎元さんの「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」です。

 

「1万人の家計を見てきてわかった投資の分かれ道」も生命保険の見直しやお金が貯まる生活習慣などとても参考になる内容でした。

 

お金の不安がある、投資に興味があるけど投資に回せる手持ち資金が少ないという方は是非読んでみてほしいと思います。横山さんの本はとてもわかりやすかったので横山光昭さんの他の本も読んでみようと思います。

はじめての人のための3000円投資生活 横山光昭

 

 

貯金も節約もできない人でもお金が増える方法

将来に不安を感じどうにかしてお金を増やすことができないか考えていたときにタイトルに魅かれて手にした本です。

 

iDeCoやNISAなどの国の節税制度を利用しながら長期的にコツコツと投資信託で資産を増やしていきましょうという内容なので、短期的に増やしたいと投機的な投資を求めている方には向かない本です。

 

内容は楽天証券のファンドアナリストの著者が、投資信託や確定拠出年金(iDeCo)、NISAについて投資初心者向けにわかりやすく解説されています。初心者がつまずきがちな投資信託の選び方についてもインデックスとアクティブの違い、バランス型についての説明が易しく、理解しやすかったです。

 

NISAについてはこれまで断片的に知識をもっていましたが、iDeCoについては何か難しそう、、と避けてきましたが、この本でiDeCoやNISAについても網羅的に理解することができました。特にiDeCoの節税効果はすごいので今すぐにでも始めないともったいないと思いました。

 

楽天証券のアナリストが書いている本なので楽天証券の商品ばかり勧められるのかと思いきやそうではありませんでした。ちゃんと他の会社のおススメ商品も紹介してくれています。一つ気になったのは投資系の本を読むとアクティブファンドはあまり推奨されていないものが多いのですが、手数料が高いアクティブファンドも著者は推していることでした。私はとりあえずアクティブには最初は手を出さないかもと思いました。

 

最後に投資信託の商品選びや目的&年代別モデルポートフォリオやiDeCo、NISAの口座開設手続きまで詳細に解説してくれているのでこの本を読んだらすぐに始めることができます。

 

本を読んでいる途中で私本人のNISA口座と子ども達のジュニアNISAの口座を開設しました。中、長期的に投資してお金をコツコツ増やしたいと考えている方、節税の恩恵を受けたい方は読んで損がないと思います。お子さんをお持ちの方、19歳以下の人が開設できるジュニアNISAの制度が2023年で終了となります。考えている方は早めに準備してくださいね。

貯金も節約もできない人でもお金が増える方法 篠田尚子

 

これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話

実業家の堀江貴文さんの著書です。ホリエモンですね。仮想通貨ってよく聞くけど、仮想通貨って一体何?仮想通貨について読んだ最初の1冊になります。タイトルに魅かれたのと堀江さんの本を読んでみたかったので手に取りました。

 

内容は仮想通貨の歴史やビットコインの基礎、仮想通貨が浸透することで実現可能な未来の話、トークンエコノミー(独自の経済圏を作ろうとするもの 楽天ポイントでまわる楽天経済圏がわかりやすい)といった内容でした。仮想通貨の技術的な内容は難しかったです。専門用語がたくさん出てくるので半分も理解できないくらいです。それ以外のお金の価値や仮想通貨の歴史、未来の話についてはわかりやすかったです。

 

本の中で、堀江さんは「私は仮想通貨信者ではない」と念を押していましたが、20万円のイーサリアム(仮想通貨)を購入して数千万円になった話はとても夢があります。そしてその数千万円はパスワードを忘れて取り出せなくなったそうです。少しだけ仮想通貨を購入してみようかなと正直思いました。

 

日本円という国家が管理するお金を思考停止して貯めているだけではだめだ、お金の価値、本質について考えてみるきっかけの1冊になりました。そして仮想通貨にも少し興味がもてました。

 

「子育てと宝くじ」、今後の生き方を問う最終章での「お金がいらなくなる社会」「遊んで稼ごう」などの話は堀江さん節がきいていてとても面白かったです。仮想通貨だけではなくお金の価値や本質、未来についても学べる本ではないかと思います。

 

これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話 堀江貴文

 

本当にお金が増える投資信託は、この10本です

上の上で感想を書いている「貯金も節約もできない人でもお金が増える方法」の著者である篠田尚子さんの著書です。篠田さんの本がとてもわかりやすく、参考になるところが多かったので他の本も読んでみたいと思い手に取った本です。

 

驚いたのですが、投資信託って販売されているもので約6000本もあるんですね。その6000本もの商品の内容を正確に把握しているのが日本に数人しかいない「ファンドアナリスト」という肩書を持つ人で篠田さんもその一人です。

 

投資信託って何か良さそう、さあ何を買おうってなったときにまずぶつかるのが商品選びではないでしょうか。こちらの本は題名通り、篠田さんのおススメの投資信託が10本たいへん詳しく書かれています。

 

おススメだから当然インデックスファンドだろう、と読み始めたら、何と、10本全部がアクティブファンドではありませんか。びっくりしました。アクティブ=手数料が高い割に、成績が良くないから手を出したらだめ、インデックスファンドが手堅くてよいという固定概念があったからです。

 

篠田さんはそのことについて言及されていました。「なぜ、ここまでインデックスファンドがよくてアクティブファンドが悪とされてしまったのか」の歴史的な背景やそのことで本当に「優れた商品」が埋もれてしまっている現状についても理由とともに書かれていました。これまであまり聞いたことがなかったインデックスファンドの欠点やアクティブファンドの手数料が高い理由も述べられていました。だから「とりあえずインデックスで間違いない」という考えは危険なのかなと思いました。

 

「優れた商品」というのはインデックスよりも良い成績を収めているアクティブファンドのことを指します。しかしながらインデックスを上回る成績を残したアクティブファンドはわずか全体の2割ですが、その2割に残った商品は確実にいい投資信託といえます。その2割のなかから、6つの条件でスクリーニングした10本の商品が6000本の中から選ばれて紹介されています。

 

この本を読み終えたときは、私の積み立てNISA口座、子ども達のジュニアNISA口座が準備できてさあ何を買おうかと悩んでいたときでした。インデックス型に重きをおく方針はこれまでとは変わりありません。全く眼中になかったアクティブ型の購入も視野に入れていきます。ポートフォリオを見ながらあまり比重が多くなり過ぎない程度にアクティブ型も購入してみようかなと思いました。インデックスとアクティブへの分散投資のイメージです。

 

この本は私のようにこれから投資信託を始めて銘柄選びに悩んでいる人、始めている人でも買い替えを検討している人、アクティブファンドに興味がある人におススメです。世間で常識と思われていることに疑問を持って考えてみたり本を読んで勉強することはほんとうに大切だと実感しました。SNSからだけの勉強じゃほんとうにだめですね。情報が偏ります。切実に実感します。

 

本当にお金が増える投資信託は、この10本です。 篠田尚子

 

あぶない家計簿

家計コンサルタントの横山光昭さんの著書です。以前読んだ横山さんの著書「はじめての人のための3000円投資生活」が面白かったので他の本も読んでみたくなり手に取った1冊です。

 

家計をどうにかしたいと破綻寸前に追い込まれた相談者が横山さんの元に駆け込み、家計改善に取り組んだ多くの家計簿が載っていました。「他人のふりみて我がふり直せ」ではないですが、まあ見事にひどい家計簿でした。我が家とは収入も格段に違いますが、食費9万! 娯楽費 3万! こづかい 10万!などと驚くことが多かったです。

 

意外だったのは年収が300万~400万円の家庭よりも年収800万以上の家庭が毎月の支出も多く貯金もほとんどできず家計破綻の寸前まで追い込まれるという事実でした。

 

主婦向けの雑誌にはよく完璧なお手本のような家計簿が掲載されていることがあります。それをみても「へ~ すごいな」で終わりですが、本著に載っているような悪い見本の家計簿をみることで自分の家庭の家計をより引締めようという気持ちになりました。

 

何故、収入が多い人たちが家計破綻寸前まで追い込まれるのか、それは少しばかり収入が多いことでの油断や、「肉は国産で」「この洗剤はこのメーカーで」などちょっとしたこだわりが積み重なり気づけばメタボ家計になり家計が苦しくなるからだと説明されていました。

 

もし今後収入が増えたとしても支出は増やさず身の丈に合った暮らしをしようと強く思いました。年収が多いのに毎月ギリギリの生活で貯金が何故かできない、支出を減らして貯金を増やしたいと考えている方には是非読んでみていただけたらと思います。

 

あぶない家計簿 横山光昭

 

お金持ちになった人の10年投資をマネしたら資産が3倍になりました!

1万人以上の家計診断をしてきた家計再生コンサルタントの横山光昭さんの著書です。横山さんの著書は実例も豊富でわかりやすいので気にいって読んでいます。

タイトルは過激ですが、投資信託でコツコツと長期投資し貯金と併用しながら資産を増やしましょうというシンプルな内容です。

プロローグでは資産が倍はおろか、5倍から最高で33倍に増やせた人の例が挙げられていて早く本の中身を読みたい衝動にかられました。

著者が推奨する長期投資(10年投資)の概要やコツ、投資をするための家計改善のコツが順を追って説明されていました。本の最後の方には投資信託がなぜ長期投資に向いているのかと、口座開設の方法、証券会社や投資信託の選び方など実践的な内容も書かれていました。

投資は怖くない。投資が怖い人は怖い投資しか知らない人と書かれていました。まさに私のことだと思いました。これまで経験があるのは個別株式投資のみ。最低単元も数十万からのものが多く数々の損失をだしてきました。まさにハイリスク、ハイリターンです。それに比べて投資信託はローリスク、ローリターンの物も多く揃っています。

投資をして資産を増やしたいけどどうしたらいいかわからない、投資をしたいけど毎月余裕がなくて投資に回せる資金がない(少ない)ことに悩んでいる人にぴったりの本だと思います。

 

お金持ちになった人の10年投資をマネしたら資産が3倍になりました

 

1週間サイフで楽々お金が貯まる

家計再生コンサルタント 横山光昭さんの著書です。財布に1週間分の食費を入れてその範囲内でやりくりして、食費をコントロールしましょうという内容です。支払いは現金で行い、残りの日数と残金でどうやりくりするかを考えます。

 

何故食費にスポットが当たっているのかそれは著者が「食費を制する者は家計を制す」と考えているからです。流動性の高い食費をうまくコントロールできる人は他の項目の家計もコントロールできるそうです。

 

食費専用の財布を用意し、1週間分の食費を入れます。専用財布に食費で使ったレシートを入れていき1週間たったら集計をし、リセット。家計簿が3日坊主で終わった人もこの方法ならできそうではありませんか?と。

 

実際にこの方法をやってみました。残金をみて残りの日数をやりくりしないといけないので、これは今本当に買う必要があるのかと考え無駄な支出を抑えることができるようになりました。ただ、この本では残金のみえる化がしやすいように現金で支払うことが推奨されていましたが、少しでもポイントにこだわりたい人には食費を全て現金で払うというのは少々はハードルが高いように感じました。まさに私のことですが。クレジットで支払った分を財布の残金から取っておけば大丈夫でした。

 

他には、食費を減らす工夫、実際に食費を減らした家計改善の例がたくさん掲載されていて参考にできる部分が多かったです。「食」へのこだわりに折り合いをつけられるか、融通が利かない人は食費がかさみがち、まさに以前の私のことだと思いました。例を挙げると「業務スーパーは中国産だから嫌」「肉は国産で」「材料が揃ってないから全部揃えてから作る」などです。皆さんも食に対するこだわり多少はあるのではないでしょうか。

 

一方、表現で少し気になる部分も何か所かありました。著者の既出の本でもそうなのですが、よく出てくるキーワード「晩婚晩産」。例に出てくる夫婦は30代前半で結婚し、30代半ばで出産した夫婦です。それが晩婚で晩産なのでしょうか。現代では普通では?「もし20代後半までに子どもを出産していれば50歳前には子育てが終わる。~中略~50代は老後資金を貯める時期としてフル活用できる」って、そんなの言ったって仕方なくないですか。だってもう結婚したのが30代で過去には戻れないし、この夫婦のことを「親バカ家計」と揶揄しているのも不愉快でした。

 

もう一つ気になったのがフルタイムで頑張っている家計。「フルタイムで余裕がなくなった妻が洗い物は食洗器、洗濯機は乾燥機に頼るなど家事補助機を乱用」「要領の悪い妻が家計をメチャクチャに」。フルタイムなのに、家事も一生懸命やろうとして便利な家電に頼ることがいけないことなんでしょうか。乱用って何ですか?「要領の悪い妻」って。そら、夫が仕事しかしないで妻が仕事、家事、家計、育児を一手に引き受けたら要領も悪くなるでしょう。

 

最後は愚痴みたいになってしまいましたが(笑) 家計簿に挫折した人や食費がなぜかかさんでしまう人、貯金ができない人、家計改善に取組たい人におススメです。色々な家計の例がのっており参考になったり取り入れることができる部分も多いにあると思うので気になったら読んでみてください。

一週間サイフで楽々お金が貯まる 横山光昭

 

逃げて勝つ 投資の鉄則 大負けせずに資産を築く10年戦略

日米のメガ金融機関で35年間勤め、トップアナリストに20年連続選ばれ現在も各種メディアで投資・市場情報を発信している田中泰輔さんの著書です。

投資は「買う」より「売る」のが難しいとよく言われます。本の概要はタイトルの通り、中・長期・超長期で暴落するサインを見逃さず利益が出ている局面で上手く売り逃げしましょうというものです。5つの景気サイクル(軟化→下降→回復→加速→成熟)で株価、金利、為替がどのように動くのかを分析、判断し、シグナルを見落とさないようにタイミングを見計らって投資を実行することを推奨しています。

正直、専門家でもない一般人が色々な指標をみたり今がどの景気サイクルなのか判断して売買のタイミングを計るのは難しいと感じました。

売買のタイミングを計らなくていい投資にドルコスト平均法がいいと言われますが、著者はドルコスト平均法で行う「長期・積み立て・分散」投資の罠についても触れ警鐘を鳴らしていました。

長期投資でも最後の数年で大暴落が起きたらどうする、最後の10年になったら引き際の勝負だと。確かに、最近の風潮では長期積み立て分散投資はよく最善の投資方法、一度積み立てたらほったらかしで大丈夫などといい事ばかり言われますが、出口戦略や投資終盤の大暴落のリスクについて触れられている発信をあまりみたことがありませんでした。いくら長期で積み立てているとはいえ、思考停止で投資をし続けるのはよくないと思いました。

そういった点では私自身が行っている長期、積み立て、分散投資の出口戦略について考えるきっかけになった点で本書はよかったですが、全体的には専門的な内容が多く実践的な内容も少ないので専門家ではない一般人が内容を十分に理解するのは少々難しく最後まで読み切るのもかなり大変でした。

逃げて勝つ 投資の鉄則 大負けせずに資産を築く10年戦略  田中泰輔

 

一生お金に困らない 山投資の始め方

実業家、投資家として活躍されている永野彰一さんの著書です。本では今まで聞いたことがない山投資の実情が赤裸々に書かれていてとても興味深くとっても面白い本でした。

山投資と聞いたらどんな投資を想像しますか?普通は山を買って高く売って転売するとか、キャンプ場を開いて収益を得るとかですよね。でも永野さんの投資方法は全く違います。山に立っている電柱に対し電力会社からもらえる電柱敷地料をインカムゲイン(資産を保有しているだけで得られる収入のこと)とする投資方法なのです。

電柱敷地料は電柱1本につき年間で数百円ですが、塵も積もれば山となるでどんどん山を購入して「山王」と呼ばれるほど山をたくさん購入してインカムゲインを増やしているのです。山の購入方法も1円で買う方法や、逆にお金をもらって引き取る方法など常識では考えられない手法がふんだんに紹介されていました。

山投資の他に初期に行った不動産投資の失敗談やビジネス、お金、投資に対する考え方なども書かれていて1冊でお腹いっぱいになる内容でした。失敗を恐れずとにかく行動し、失敗から学ぶという著者の教訓はとても素晴らしいと思いました。ビジネスに対する考え方では、とにかく時間と手間をかける著者のこだわりが垣間見えました。「絶対に電話で話したい 直接会いたい リモートは嫌 1日100件でも電話をかける 電話をかけて相手からLINEでかえってきたらその人とは取引しない」などです。

特に印象的だったのが不動産業者から連絡があれば全国どこでも高速を使わず下道を利用するというものでした。経営者なら何よりも時間が大切なはず、高速料金を払って時間を買う感覚はないのかなと不思議に思いました。

本を読んで早速行動!という訳ではないですが、売られている山を検索してみました。ちょっといいなと思う山がありましたが購入には至っていません。でも本当に面白い投資手法があることを教えてもらいました。お宝の山に出会えるといいのですが。

 

投資の大原則 人生を豊かにするためのヒント

投資の名著である「ウォール街のランダム・ウォーカー」の著者であるバートン・マルキール氏と「敗者のゲーム」の著者のチャールズ・エリス氏が執筆した本です。

本の内容は一貫して、長期・分散・積み立てインデックス投資の優位性を主張したものとなっています。内容に難しい内容はなくスラスラと読めとても分かりやすかったです。これから投資を始める人はもちろん、もう投資を始めている人にも時々読んで原点に返ってほしいと著者は主張しています。私も積み立てNISAでインデックス投資を始めてまだ数か月のタイミングでこの本を読みました。

長期、分散、積み立て投資がいいと最近ではこぞって言われますがなぜいいのかの理由もよくわかります。長期ではなく取引する時期を見計らってする投資は24時間投資のことを考えている高学歴の訓練を積んだ機関投資家が売買して今の株価になっている、だから私達が情報を基に判断して取引に最適なタイミングだと思って売買したときにはもうすでに株価は情報が刷り込み済みになっているのです。それ故、時期を見計らって投資するのではなく長期にわたって淡々と安いときにはたくさん買え、高いときには少ししか買えないドルコスト投資法で投資するのが資産を築くには最適なのですと書かれていました。

もうすでに本に書かれているように長期積み立て投資を始めていますが、本を読んでさらに学ぶことがありました。それはリバランスの重要性です。リバランスとは自分で決めた資産の配分(例えば株式50 債券50) (株式60 債券40)を定期的に見直すことです。株価が下がって株式の割合が減ったら株を買って債券を売って元の配分に戻すのです。この動きは市場とは正反対になり、勇気がいります。何故なら多くの人は雰囲気や周りに流され天井で買い、底で売るからです。リバランスをそんな失敗を避けることができるのです。私もこれからは年に1回リバランスを行い適正な資産配分にしていこうと思います。

本を読み終えて改めてこの本は年に1回くらいは読んで原点に立ち返り方向性を見誤らないようにしようと思いました。

 

一生お金に困らない 世界一カンタンなほったらかし投資

一生お金に困らない 世界一カンタンなほったらかし投資については下記の記事で感想、学びを書いています。

「一生お金に困らない!世界一 カンタンなほったらかし投資」を読んだ感想

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